危険性が明らかになった血糖値スパイク
みなさん「血糖値スパイク」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
グルコーススパイクとも言われていますが、今この「血糖値スパイク」の危険性が叫ばれています。
NHKスペシャルでも放送されましたが、今後は血糖値スパイクを気にしながら健康管理をしていく時代になりそうです。
知らずに過ごしたが故に、命に関わる病気をしてしまうかもしれません。
ぜひこの病気のことを知って、病気を未然に防いでください。
血糖値スパイクとは
血糖値スパイクとは、食後に血糖値が急激に上がる食後高血糖のことをいいます。
しかし、時間が経てば血糖値は元の状態に戻りますので短時間だけの高血糖状態です。
それ故に空腹時におこなう健康診断では分からない「隠れ症状」とされています。
血糖値が急激に上がり下がりすることが良くないことは、皆さんご存知だと思います。
血糖値が急激に上がると大量のインスリンが分泌されて、血糖値が下がっていきます。
この状態が頻繁に続くと、インスリンの分泌以上が発生し糖尿病になってしまいます。
しかし最近の研究で、血糖値スパイクが糖尿病だけでなくその他の重大な病気の原因にもなっていることが分かったのです。
血糖値スパイクが引き起こす病気
血糖値スパイクが引き起こす病気は糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、ガン、認知症などと言われています。
血糖値スパイクは活性酸素を発生させるため、頻繁におこる人の血管内の細胞は40%も死滅してしまうという実験データもあります。
つまり、血管がボロボロになって動脈硬化をおこし、心筋梗塞や脳梗塞を起こしてしまうのです。
また、インスリンが多い状態ではアルツハイマーの原因と言われるアミロイドβというたんぱく質が脳内に溜まりやすいことが分かりました。
さらにインスリンには細胞の増殖を促進させてしまうことも言われてますので、ガンにもなりやすくなる危険性が指摘されています。
このように命に関わる病気を引き起こす可能性が最新の研究で分かってきたのです。
血糖値スパイクがどうかを調べる方法
では、自分が血糖値スパイクがどうかを調べるにはどうしたらいいのでしょうか。
通常の健康診断では発見できない血糖値スパイクですが、日本国民の20%は血糖値スパイクであると言われています。
また、性別や年齢、体型も関係なくなってしまう危険があると言われています。
一つは病院で調べてもらう方法があります。
通常の空腹時検査ではなく、血糖値スパイクを調べたいと伝えて、医師の指示に従い食事を摂って検査を受けましょう。
ただ、毎食後調べることができないというデメリットはあります。
またNHKのウェブサイトにて血糖値スパイクの危険度チェックリストを使い、自分の危険度を確認して参考にすることができます。
・NHK 血糖値スパイク危険度チェック
あとは、食後に眠くなる人も注意した方がよいそうです。
血糖値が高くなるとオレキシンという脳内ホルモンが減って眠くなってしまいます。
食後にやたら眠くなる人は注意した方がいいかもしれません。
一番いいのは血糖値測定器を購入することです。
これからの世の中は「一家に一台、血圧計と血糖値測定器」という時代になっていくそうです。
値段も5,000円〜10,000円程度で販売してますので、自分で買って小まめにチェックするのが理想と言えます。
血糖値スパイクを防ぐには
血糖値スパイクは生活習慣病ですので、日頃のちょっとした事で防ぐことができます。
インスリンの出方には個人差がありますので、これをコントロールすることは出来ません。大事なことは、血糖値の急上昇を防ぐことです。
血糖値の急上昇を防ぐには「消化に時間をかける」ことがポイントとなります。
消化に時間をかける為には、食べ物を食べる順番がとても大切になります。
まず食物繊維を含んだ野菜類を食べ、次に肉類などのたんぱく質、そしてご飯などのたんぱく質を摂るのが理想をされています。
こうすることで消化吸収が穏やかになり、急激な血糖値の上昇を防げます。
血糖値を上げるのは糖質です。
炭水化物を先に食べてしまうと、先に糖が急激に吸収され高血糖を引き起こしてしまいます。よく「ブドウ糖」の飴玉などが売ってありますが、正直もってのほかです。
どの程度血糖値を上げるのかというのをGI値というもので知ることができます。
GI値が低いと血糖値が上がりにくくなります。
なるべくGI値が低いものを先に食べるようにしましょう。
また、食物繊維や乳製品、豆類、酢は他の食品のGI値を下げてくれる効果がありますので、積極的に最初に取りましょう。
あくまで順番ですので、ご飯などを食べてはいけない訳ではありません。
適度な量をバランスよく摂るようにしましょう。
※ページの一番下におおよそのGI値一覧を載せてます。
その他、血糖値スパイクを防ぐ方法として「3食きちんと摂る」ことと、「食後すぐに運動すること」が言われています。
3食摂ることで極端な空腹を避けることができます。
体は飢餓状態になりますと、入ってきた栄養を吸収しようとする力が強くなりますから、食後高血糖を起こしやすくやるようです。
また、食後すぐに運動することで、胃腸に血液が集まることを防ぎ、消化吸収を遅らせることができるようです。
ですが食後に極端な運動はよくありませんから、軽い運動にしてください。
食後15分間は血液が胃腸に集まりやすいので、すぐに片付けして洗い物をするとかでもいいでしょう。自分の体の声をよく聞いて行ってみてください。
食品GI値参考表
食品のGI値を一覧で載せても頭に入ってきにくいですので、大まかに分類しておきます。
・炭水化物
GI値が高いもの
白米、精製小麦のパン、ベーグル、ナン、うどん、パスタ、そうめん、ビーフン、ラーメン、コーンフレーク、赤飯、もち
GI値が低いもの
玄米、全粒粉パン、そば、全粒粉パスタ、中華そば、オールブラン、春雨
精製されたものは全体的にGI値が高いです。食物繊維を含んだものの方が良さそうですね。
特に食パン、フランスパンはかなりGI値が高いです。
・野菜類
GI値が高いもの
ジャガイモ、ニンジン、山芋、とうもろこし、かぼちゃ、さといも
GI値が低いもの
もやし、きゅうり、レタス、なす、等々
根菜系は高い傾向にあります。その他は全体的に低いです。
・肉・魚類
肉・魚類は全体的に低〜中程度です。それほど心配する必要はありません。
・乳製品・卵・きのこ・海藻・ナッツ・豆類
これらは全般的に低GI食品です。
・果物
GI値がやや高め
パイナップル、黄桃、スイカ
GI値が低いもの
その他果物全般
・アルコール
アルコールもGI値から見ると低いものばかりですが、飲みすぎに注意しましょう。
・調味料
GI値が高いもの
氷砂糖、上白糖、三温糖、黒砂糖、はちみつ、メープルシロップ、こしょう、テン菜糖
GI値が低いもの
果糖、オリゴ糖、その他調味料全般。
やはい砂糖系はかなりGI値が高いので注意しましょう。コショウが意外なところです。
・お菓子系
お菓子系はやはり全般的に高いです。
低めのお菓子としてはブラックチョコレート、プリン、ゼリーあたりとなります。
まとめ
血糖値スパイクは自覚症状もなく、健康診断でも分かりにくいため、今まであまり危険性が叫ばれていませんでした。
しかし、最新の研究の結果、命にかかわる病気の原因となることが明らかになったのです。いかにして血糖値スパイクの程度と頻度を抑えるかが鍵となります。
ぜひ、自分の生活習慣を見直して、大変なことになる前に対策を取ることをおすすめします。