Barley

ウイスキー

元バーテンダーによる誰でも分かるウイスキーの原料の話

みなさんウイスキーの原料について考えたことあるでしょうか?
今回は元バーテンダーである私目線でウイスキーは何から作られているかを説明してみたいと思います。

ウイスキーの原料は穀物

ウイスキーの原料は穀物です。
ではどんな穀物か?
以下に挙げてみます。

・モルト(大麦麦芽)
・とうもろこし
・ライ麦
・小麦
・キビ
・蕎麦
・オート麦
・スペルト小麦
・栗

かなり変わったものまでありますね(汗)
実際には「モルト」「とうもろこし」「ライ麦」「小麦」。
あたりが一般的です。
この4つを覚えておきましょう!
この穀物の総称をグレーンといいます。

モルトとは

モルトという単語はよく耳にするかと思いますが、それが何かをちゃんと知っている人は少ないかと思います。

モルトとは日本語でいうと「大麦麦芽」のことです。
さらに大麦麦芽とは「発芽した大麦」のことです。

なぜ大麦を発芽させるかは、また別の機会に解説します。

モルトとは「大麦を発芽させたもの」と覚えておきましょう。
モルトのみから作られたウイスキーを「モルトウイスキー」といいます。

※ただしアメリカンウイスキーにおいては原酒の中の51%以上にモルトウイスキーが使われていれば「モルトウイスキー」といいます。

モルトウイスキーは一般的に個性の風味が強く出ます。
また製造コストは高めの傾向にあります。

ロート
「シングルモルト」という言葉はよく聞くと思います。

グレーンとは

穀物の総称をグレーンというと説明しましたが、「グレーンウイスキー」というとモルト以外の穀物で作られたウイスキーのことを指します。
こうすることで「モルトウイスキー」「グレーンウイスキー」を区別しています。

ウイスキーボトルの裏のラベルを見ると、成分表示によく「モルト、グレーン」と書いてあるのを見かけます。

よく「グレーン=とうもろこし」と思われてる方がいますがグレーンにはライ麦や小麦なども含まれるため、グレーン表記だけでは実際どの穀物を使っているかまでは分かりません。

グレーンウイスキーは一般的にまろやかな風味を持ちます。
また製造コストも低いです。
ですのでモルトウイスキーと混ぜ合わせることで、飲みやすくコストパフォーマンスに優れたブレンデッドウイスキーを作ることができます。

ロート
グレーンウイスキーが登場したことで、ウイスキーは安く飲めるようになり世界中に広まりました。

バーボンとは

バーボンはよくとうろこしのウイスキーと言われたりしますが本当でしょうか?
バーボンの定義を確認してみましょう。

バーボンの定義

1、原料にとうもろこし(デントコーン)を51%以上80%未満含むこと
2、連続式蒸留で160プルーフ(80%)以下に調整
3、125プルーフ (62.5%) 以下で内側を焼き焦がしたホワイトオークの新樽に
詰めて2年以上貯蔵・熟成させる
4、添加物(キャラメル)などを足すことはできない
5、4年未満のバーボンを商品とするときには、ラベルに年数を表記すること
6、瓶詰めするときは、加水して80プルーフ(40%)以下にしてはいけない

※プルーフとはアメリカで使われるお酒の度数を示す単位です。USプルーフとUKプルーフがありますが、
 バーボンの場合はUSプルーフ。%表示を丁度2倍にした単位になります。

つまり、とうもろこしをメインにグレーンやモルトをブレンドさせたウイスキーとなります。
とうもろこしの割合が80%を超えたものコーンウイスキーと呼ばれます。

ちなみに製造された場所に縛りはありません
ケンタッキー州が有名ですが、テネシー州で造られるジャックダニエルもバーボンになります。

, Bourbon

ライウイスキーとは

ライウイスキーとは原料の51%以上がライ麦で作られたウイスキーのことをいいます。
ライウイスキーの銘柄はそれほど多くはありません。
よくカナディアンウイスキーのことをライウイスキーと呼んだりしますがイコールではありませんのでご注意ください。

またライウイスキーは有名なカクテルであるマンハッタンのベースとしても知られています。

ロート
ライウイスキーはあまり見かけることはありません。

まとめ

いかがだったでしょうか。
・ウイスキーの原料は穀物である。
・その穀物で作った原酒をそれぞれどれくらい使うかでウイスキーの分類が決まる。
ということでした。
正しく認識することで、よりウイスキーを楽しめるようになると思いますので、覚えておくとよいと思いますよ。


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