難しい単語などをなるべく分かりやすく丁寧に解説する「元バーテンダー誰でも分かる」シリーズの第3回目です。
今回はモルトウイスキーの製造工程「発酵」のお話です。
※他の製造工程はこちらにまとめてありますので、どうぞ。
・元バーテンダーによる誰でも分かるモルトウイスキー製造工程まとめ
発酵とは
発酵とは仕込みの時に作った麦汁を「酵母の力を使ってアルコールに分解していく」工程です。
仕込みについては前回までに解説しています。
麦汁はまず21度ほどに冷却した後、発酵槽という容器に移されます。
この発酵槽は伝統的な木製と、効率に優れたステンレス製があります。
この発酵槽の違いもウイスキーの風味に影響を与えてきますので、蒸留所によりそれぞれこだわりがあります。
次にこの発酵槽に「酵母」を加えます。
酵母菌は何百種と存在しますが、ウイスキー造りでは主に「蒸留酒用の酵母」が使われます。
酵母は糖を分解してアルコールと炭酸ガスに分解していきます。
この工程は約2日間で終了し、「もろみ」と呼ばれるアルコール度数7%前後の発酵液が出来上がります。
乳酸菌の役割
発酵の後半になってくると酵母の働きは弱くなってきます。
そこで発酵液には酵母が分解できなかった糖分が残るのですが、そこで活発になるのが「乳酸菌」です。
乳酸菌とは糖分を分解して乳酸などの酸を作る菌のことです。
この乳酸菌が、酵母が分解できなかった糖分を分解していくと発酵液が酸っぱくなっていきます。
ヨーグルトでイメージできますね。
発酵の時間を長くすればするほど、発酵液は酸っぱくなっていきます。
この発酵液が酸っぱいほど、飲みやすいウイスキーになります。
逆に酸っぱさを抑えると重厚なウイスキーになりますので出来上がりをイメージして発酵時間を調整します。
まとめ
いかがだったでしょうか。
発酵の段階でもウイスキーの風味に大きく影響を与えることがお分かりいただけたでしょうか。
ウイスキーは全ての工程でこだわりを持って作られています。
とても繊細で複雑なお酒ですね。
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